グリーンマイルの黒い粒子

今年の夏は、約20年ぶりにトム・ハンクス主演の映画「グリーンマイル」を鑑賞しました。

改めて注目したのは、ジョン・コーフィの癒しの力です。彼は、触れた相手から病気を吸い取って黒い粒子として吐き出します。病気を吸い取られた人や動物は一気に回復します。

以下、主人公の尿路感染症を治すシーン。

以下、踏みつぶされたネズミを治すシーン。

以下、脳腫瘍が原因で重い精神疾患を患っていた女性を治すシーン。

この映画を初めて見たのは、中学2年生のときでしたが、ジョンコーフィの吐き出す黒い粒子が虫のように見えて、「一体なんだろう?」と思ったものでした。

今となってみて思ったのは、この黒い粒子は、穢れ(禍津日神)が直毘神によって、超物質が目に見える程度に物質化したものということです。黒いので、穢れと思いそうですが、ちょっと違います。穢れ(禍津日神)自体は目で見えません。黒い粒子は禍津日神と直毘神が反応して、具現化したと言ってもいいでしょう。まあ、悪いものであるのは間違いないでしょうけれど(黒い粒子を吹き込まれると、精神が崩壊するシーンも作中にあります。)。また、ジョン・コーフィから直毘神(光駆り)が出ているはずですが、これも見えないですね(観念的に出ていると考える他はありません)。

まあ、概念を色々持ち出せば、様々な解釈もできますが(例えば、無明など)。

黒い粒子が、ジョン・コーフィが空中に吐き出すと、あっという間に消滅するのも注目すべき点ですね。

一体、原作者のスティーヴン・キングは、どこまで諒解して執筆したのかが気になりました。