ラットが最初に船を去る

組織とは、共通の目的や目標を持つ人々が集まり、協力して活動を行う集団のことを指します。そして、その組織の中には、情報に精通している者や、組織の方向性を決定するキーメンバーが存在します。

最近、日本のエンターテインメント業界で大きな話題となったジャーニーズ事務所の問題を例に取り上げてみましょう。この事務所からは、ジャニー喜多川氏の性加害の問題が表面化する前に、2016年頃からキーメンバーだった有名なタレントが次々と退職していました。

このような現象を、「ラットが最初に船を去る(Rats desert a sinking ship)」という言葉で表現することができます。これは、組織が問題を抱えているとき、最も情報に精通している者や最も敏感な者が最初に去ることを示す言葉です。

では、なぜこのような現象が起こるのでしょうか。キーメンバーが組織を去る背後には、以下のような要因が考えられます。

  1. リスクの評価: キーメンバーは、組織の問題を最も早く、そして最も深く理解しています。そのため、組織の立て直しにかかるリスクやコストを他のメンバーよりも正確に評価することができるのです。
  2. 外部の機会: キーメンバーは、その能力や知識を活かして他の組織やプロジェクトでの機会を持っていることが多いです。
  3. 組織の文化や構造: ある組織の文化や構造が、問題の解決や改革を困難にする場合があります。
  4. 個人の責任感: すべてのキーメンバーが、組織の問題に対して責任を感じるわけではありません。

あなたも、職場や組織でこのような現象を目の当たりにしたことがあるかもしれません。

そして、ジャーニーズ事務所についての報道を見ていると、大企業がジャーニーズ事務所のタレントを起用しないという報道が相次いでします。

そのうち、大手メディアからジャーニーズ事務所のタレントが消滅するのも現実になりそうです。

ところで、2016年の段階でいち早く退社したジャーニーズ事務所の元タレントだったメンバーが、先週末のNHKの番組でナレーションをしていましたが、颯爽としている雰囲気がありました。

ラットは、有能であるがゆえに、そのときの行動が周囲から理解されません。

ただし、ラットは、泥船の修復が不可能であり、いつか沈んでしまうのがわかっているので、沖に行ってしまう前の陸に近いうち、または、他の頼もしい船が近くにいたら、ラットは泥船から真っ先に脱出するものなのです。