糖尿病と血糖値の関係

糖尿病は、血糖値が一定の基準を超えると発症する病気です。しかし、その症状は必ずしも高い血糖値があるからと言って即座に現れるわけではありません。ここでは、血糖値と糖尿病の関係について詳しく見ていきましょう。

血糖値と糖尿病の関連性

かなり血糖値が高くないと、糖尿病の症状は出ないとされています。血糖値が上昇すると、まず最初に現れる症状は喉の渇きです。この渇きは、体内の血糖濃度が上昇し、水分が不足していることを示しています。そのため、多くの水分を摂取しようとすることが特徴です。

また、血糖値の上昇により、体内の水分が増加し、おしっこをしたくなる傾向があります。この際、1回のおしっこの量も通常より多くなります。足先の痺れや正座した後の違和感も、高血糖状態による血管や神経の障害から生じるものです。

ヘモグロビンA1cの重要性

血糖値だけでなく、ヘモグロビンA1cの値も糖尿病の診断に重要です。ヘモグロビンA1cは、過去1〜2ヶ月間の平均血糖値を示す指標であり、血糖値の変動をより正確に把握することができます。

糖尿病の診断基準として、ヘモグロビンA1cが6.5以下であれば比較的コントロールされているとされます。一方で、7を超えると注意が必要であり、9や10といった高い値では重篤な合併症のリスクが高まります。

血糖値と体の関係

血糖値が上昇すると、体内のインスリン分泌が減少し、細胞への糖の取り込みが阻害されます。その結果、細胞が栄養不足となり、体重減少や筋肉の減少、骨密度の低下などの症状が現れることがあります。

糖尿病の合併症

糖尿病は、血管や神経に障害を引き起こすため、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。例えば、網膜症や腎臓病などがその代表的なものです。これらの合併症は、症状が現れる前に早期発見・治療が重要です。

血糖値と健康管理

健康診断でのヘモグロビンA1cの測定や血糖値のモニタリングは、糖尿病の早期発見や管理に役立ちます。適切な血糖コントロールは、合併症の予防や健康維持に大きく貢献します。

まとめ

糖尿病と血糖値の関係は密接であり、適切な管理が必要です。定期的な健康診断や血糖値のモニタリング、健康的な生活習慣の確立などが重要です。早期の対策と管理により、糖尿病による合併症のリスクを低減し、健康な生活を送ることができます。

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【参考】この症状は既に危険!? 糖尿病の初期症状ってなに?喉の渇き 尿の回数・量 手足の痺れ 教えて平島先生 No147